この記事では風紀委員会の活動内容について説明します。
風紀委員会とは
学園モノではよく見かけるものの、現実ではあまり見かけないもののひとつに風紀委員会があります。しかし、あまり見かけないだけで学校によってはちゃんと彼らも存在しています。
風紀委員会といえば、校内巡回しながら「不純異性交遊禁止!」「身だしなみを整えなさい!」とよく口にしているイメージがありますが、そこまで極端ではないにしろ、実際の風紀委員会も上記のイメージどおりだと思っていただいて構いません。なお、現在は生活委員会という名称になっていることが多いです。
風紀委員会の構成
風紀委員会は体育委員会や図書委員会等と同じく委員会活動ですから、年度初めに行われるクラスごとの委員会決めでメンバーが決まります。任期は学校ごとに異なり、通年のところもあれば、4~9月と10~3月の二期制のところもあります。稀に3期制のところもありますがほんとうに稀です。
たいてい各クラスから男女一人ずつ選出され、委員会発足後の最初の会議で風紀委員長と副委員長、書記が指名されます。リアルな話をすると立候補かじゃんけんで決まることが多いのですが、創作だと純粋な戦闘力(胸囲的な意味で)などで決定するようです。
風紀委員会の仕事内容
風紀委員会の仕事は漫画やライトノベルを読んでいる人が抱いているイメージそのままです。特定の期間「あいさつ運動強化月間」などと銘打って校門前に立ち挨拶を行ったり、服装が校則に違反していないかをチェックしたり、校内の見回りを行ったりします。生徒に対して注意は行えますが、私的な罰則を設けることはできないため、反抗されたときは先生に報告するという手段で対処します。
彼らの具体的な活動を以下にまとめました。
あいさつ運動
朝練のない生徒たちが登校し始める時間(8時頃)に校門前に立ち、「おはようございます!」と呼びかけます。生徒会執行部と合同で行う場合もあれば、風紀委員会だけで行う場合もあります。さすがに毎日やるとダレてしまうので、特定の期間だけ実施することが多いです。主な目的は生徒たちに挨拶を習慣づけることですが、たいてい遅刻者への指導や服装指導も兼ねています。
遅刻者への指導
そのままですが遅刻者に対して指導を行います。遅刻はしなくとも本鈴5分前に駆け込み登校してくる生徒は多いので、そういった生徒には注意を呼びかけます。学校によっては遅刻者リストを作成し、一定回数遅刻でなんらかの罰則を科すこともあります。当然この罰則は自由に決められるわけではなく、顧問の教諭が決めます。
服装指導
髪を明るく染めていないか、男子の髪が耳や目にかかっていないか、爪が伸びていないか、ネイルやアクセサリーをしていないか、カラコンをしていないか、カッターシャツをはみ出していないかなどを検査し、違反があった場合は指導します。学年集会で行うこともあればSHR(ショートホームルーム)に抜き打ちで行うこともあります。異性の服装をまじまじ見るのは問題があるので、それぞれ同性の委員が見ることが多いです。
ちなみに少し話がそれますが、創作でよく登場するスカートの長さの規定は「膝丈より短いのはNG」が一般的です。これは膝頭が少し隠れる程度の長さであり、ひざが完全にみえていると先生から指導されることが多いです。しかし取り締まりが緩い学校だと膝上10〜15cmにしている女子生徒がほとんどのようですね。言い方は悪いですが偏差値が低い高校ほど短くなる傾向があります。
不順異性交遊の取り締まり
なにをしたら不純異性交遊なのかという定義はかなり曖昧です。とはいえ、恋人ができただけで不純異性交遊ですと言い張るのはさすがに無理があるので、現実的な落としどころとしては「性行為をしたと推測できれば指導」とするところが多いでしょう。それでもカラオケに二人で行ったら指導なのか? 空き教室に鍵をかけていたら? ペッティングはどうか? といった疑問は噴出するので、その辺りは個人の裁量で決まります。先生に報告すれば一発停学でも、風紀委員の判断で見逃すこともあるでしょう。
校則違反パトロール
私物を持ってきていた場合は没収したり、生徒同士の諸問題に対応したり、掲示板に無許可で張り出された張り紙の撤去をしたりします。プライバシーの問題にかかわるので持ち物検査や私物の没収は非推奨となっていますが、校長の許可があれば風紀委員が行うことも可能なようです。文化祭でも交代で巡回を行い、無申請の出し物や使用禁止物の使用を発見すれば撤去を促したりします。
標語・アンケートの作成
週ごと、あるいは月ごとに標語を作成し、ポスターを掲示するなどして生徒たちに告知します。標語を作るだけで特になにもしないというところがほとんどですが、作った標語に関連した活動を行うところもあります。またいじめ撲滅や意識調査を目的として風紀に関するアンケートを実施することもあります。
創作上の風紀委員会の仕事内容
創作での風紀委員会は生徒会執行部と同じく様々な権限が与えられていることが多く、部活動の停止・廃部の決定、私物の没収、夜間外出生徒の補導、その他風紀を乱すと判断した様々な事柄に対して禁止令を出すことができます。さらには停学処分を下すことすらできます。バトル物では「学園の風紀を維持する≒学園の治安を維持する」が転じて化け物や妖怪と戦う戦闘集団として描かれることもしばしば。名前のイメージからか、水や風や氷を司る能力を持っていることが多いです。