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生徒会役員選挙の流れ

この記事では生徒会(役員)選挙の流れについて説明します。
ここでは生徒会長のみ選出する選挙について記述しますが、他の生徒会役員を選挙で決める場合も同じ過程を踏みます。

 

生徒会選挙の時期

生徒会選挙の時期は学校ごとに異なります。5月に行うところもあれば、10月に行うところ、12月に行うところ、2月に行うところなど様々です。そのためストーリーの都合に合わせて時期を調整しても問題ありません。選挙の期間もまちまちですが、選挙管理委員会が発足してから投票結果が開示されるまで1ヶ月前後かかるのが一般的です。立候補者が実際に選挙運動を行う期間は1~2週間程度です。

 

立候補するための条件

たいていの学校では二年生が立候補することになる生徒会選挙ですが、希望さえすれば一年生や三年生でも立候補は可能です。ただし、一年生が生徒会長になると他の役員が全員年上になるためやりにくかったり、学校行事を経験していないため完成形を想像しにくかったりといった難点はやはり存在します。三年生は卒業と同時に解任となるため、二学期以降に選挙がある場合は立候補不可となることもあります(卒業後、副会長が代理を務める場合は立候補可能です)。

また、室長(学級委員長)は立候補不可とするところが多いです。生徒会選挙が形骸化したところだと、先生からの推薦がなければ立候補できないこともあります。

 

生徒会選挙の流れ

 生徒会選挙のおおまかな流れは以下のとおりです。

 

 1.選挙管理委員会の発足

各クラスから一、二名選出し、選挙の運営を行う選挙管理委員会を立ち上げます。生徒会選挙の1ヶ月前あたりに発足することが多いですが、年度初めの委員会決めで決めてしまうところもあります。メンバーが決まったあとの最初の会議で選挙管理委員長と副委員長を決めます。委員長は必要に応じてメンバーの招集をかけることができ、主に会議中の進行を務めます。副委員長は委員長の補佐と時に代理役をこなします。

 

2.選挙の日程等の決定

選挙の実施が決まったら選挙管理委員会内の会議で日程や準備の段取りを決めます。選挙管理委員会が決める事柄は以下のとおりです。

  • 立候補の受付日(例:選挙告示日より3日間)
  • 投票日時と場所(例:10/1 14:00~ 体育館)
  • 開票日時と場所(例:10/1 16:00~ 技術室)
  • 選挙に関する告示の日時と場所(例:9/17 生徒昇降口、生徒会室前に掲示)
  • 選挙運動期間と方法(例:立候補受付の翌週5日間)
  • 選挙事務(全校生徒の名簿作成、選挙公報の作成、投票用紙の作成、当日の担当)

 

3.選挙期日の告示

告示日に選挙に関する告示を行います。多くの学校では掲示板に掲示する形になるでしょう。立候補の受付日、選挙の投票日、投票場所、投票用紙の様式、開票日時などを全校生徒に周知します。これだけでは気づかない生徒も多いので、ホームルームに担任か委員会メンバーが口頭での告示も行います。

 

4.立候補者説明会の開催

立候補受付の数日前に立候補予定者に対する説明会を行います。主に届出用紙の書き方や選挙運動の方法について説明します。学校によっては立候補者受付が終了してから説明会を開くこともあります。この時点で誰が立候補するかわかってしまうので、ストーリー上ギリギリまで他の候補者を明かしたくない場合は描写する必要はありません。

 

5.立候補受付

立候補者は教員または選挙管理委員から候補者届出書を受け取ると、必要事項を記入して提出します。提出先は教員や選挙管理委員や生徒会室など学校によりけりです。ちなみに推薦人はこの時点で指名します。申し込みを受理したあとは選挙運動に必要な道具(たすき 、のぼり旗)を立候補者に貸し出したり、選挙公報に掲載する文章の提出を依頼したりします。

 

6.選挙運動

立候補者は指定された選挙運動期間中、選挙運動を実施します。生徒の登下校時刻に選挙演説を行ったり、選挙運動ポスターを貼り出したり、放送機材を使って校内放送を行ったりします。このとき候補者ごとに不公平が出ないように、選挙管理委員会は選挙運動の方法をあらかじめ指定し、選挙運動中も監視しておきます。不公平の例としては、立候補者の一人が放送委員会に所属しているとき、昼休みの放送でその立候補者の演説のみを流すなどがあります。

創作ではこれらの表向きな選挙活動よりも水面下での策謀がメインになるでしょう。対立候補の悪評の流布、特定の部活動との秘密協定、演説でのパフォーマンスや選挙管理委員会の掌握など、公正とは言い難い激しいバトルが繰り広げられることになります。

 

7.立会演説会の開催

投票日の直前に立会演説会を開き、それぞれの立候補者の主張を全校生徒に説明します。立会演説会は主に2パターンあり、体育館に全校生徒を集めてステージ上で演説する場合と、各教室で着席している生徒にテレビ放送を通して演説する場合があります。立会演説会は基本的に「選挙管理委員会による開会のあいさつ」→「校長先生の話」→「選挙管理委員会から説明」→「立候補Aの推薦者の応援演説」→「立候補Aの演説」→「立候補Bの推薦者の応援演説」→「立候補Bの演説」という順番で進行します。通常、話す内容については事前に選挙管理委員会や教員のチェックが入りますが、創作では自由に演説させるため確認しない設定になっていることが多いです。

立会演説会が終了したらすぐに投票が行われます。

 

8.投票

投票方法は自書式と記号式があります。自書式は候補者の名前を書く方式で、記号式はあらかじめ書かれている候補者の名前に丸を付ける方式です。候補が一人しかいない場合は信任投票と呼ばれますが投票の仕方に違いはありません。投票の流れは「受付の名簿にある自分の名前にチェック」→「投票用紙を貰う」→「投票用紙に記入」→「投票箱に入れる」となります。一人一票の原則を遵守するため、各工程に選挙管理委員が立ち、不正がないか確認します。

 

9.開票

投票終了後、選挙管理委員会が開票し集計します。どの候補者に入れたかわからない票や誤字脱字がある票(疑問票)は一旦隔離し、あとでまとめて審査します。生徒会選挙では誤字以外すべて無効票にすることが多いです。

 

10.当選者の発表

発表の方法は二通りあり、告示を掲示する場合と校内放送で発表する場合があります。落選者への配慮として投票数は発表しないことが多いです。

 

同票・または不信任になった場合

開票の結果、得票数が同数となった場合は同票の候補者のどちらかを選択する決戦投票となります。また信任投票において不信任票が多かった場合は、信任されるまで再投票するかその席が1年間空席になります。