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文化祭実行委員会の仕事内容

この記事では文化祭実行委員会の仕事内容について説明します。

文化祭でよくあるトラブルを知っておきたい方はこちらをご覧ください。

 

文化祭実行委員会の構成

文化祭実行委員会は文化祭の企画と運営を行う組織であり、多くの学校では文化祭開催日の数か月前に発足されます。私立校だと通年で所属することもあります。文化祭は全校生徒参加の学校行事であるだけに委員会の仕事も非常に多く、また多額の資金と多くの人手を扱うことになるので責任も重大です。一般生徒のほとんどからは「なんか面倒くさそう」というイメージを持たれがち。ちなみに略称は「文実(ぶんじつ)」です。

発足の時期になると各クラスから一、二名の立候補者が選出され、最初の会議で委員長、副委員長、会計、書記が決定します。委員長は必要に応じてメンバーを招集する権限を持ち、会議の進行と委員会全体の掌握を務めます。副委員長は委員長の補佐と代理、書記は会議の内容を記録するのが主な仕事です。

基本的にその仕事量の多さから、いくつかの部門に分かれて各々の仕事を担当することになります。

 

 打ち合わせ事項

委員長や書記が決定するといよいよ文化祭についての打ち合わせが始まります。まず決めなければならないのが文化祭のテーマです。決め方は全校生徒から募集したり文実内の意見交換で決めたりと様々ですが、そのときの時流に合わせたネタが用いられることが多いです。テーマが決まると次にテーマカラーが決まり、文化祭全体のデザインを考えていきます。

他にも文化祭を一般公開するか否か、入場をチケット制にするか否か、展示での支払いは食券か現金か、有志用のステージはどこに設置するか(屋外の場合は雨天時の対策)、開会式や閉会式の流れはどうするか、前夜祭や後夜祭で何をするか、文実企画として何をするか(Mr.Msコンテストやカラオケ大会)、巨大パネルや垂れ幕などを作成する場合はその設置場所をどこにするか、資材搬入や印刷時にどの業者を使うか、ゴミの処理をどうするか、予算と器材の配分基準、各メンバーの当日の受け持ち、許可事項と禁止事項の確認……など様々な事柄について考える必要があります。

あまりに決める数が多いので各部門の仕事を進めながら、適宜進捗報告と合わせて打ち合わせしていくのが一般的です。

 

各部門の仕事内容

文実内部の各部門の仕事を説明します。なお学校ごとに踏襲されたやり方が存在するため、以下のやり方が正しいとは限りません。

 

 本部(総務)

文化祭実行委員長一名、副委員長一名、書記一名、会計一名、生徒会執行部役員からなります。全体会議の進行と各部門の進捗管理、必要に応じて人材派遣や外部との交渉も行います。文化祭では様々な申請書や借用書が行き来するため、それらを確認し受理する役目も担います。各クラスの出し物に対しては準備期間中も定期的に安全面と進捗状況のチェックを行い、飲食店が出店する場合は保健所に申請届を出して衛生指導を行います。

文化祭が近づいてくると各クラスや各部門から非常に多くの質問や要望、クレームが殺到するためその処理にも追われることになります。その一方で、文実からの連絡も漏れなくすべての団体に伝えなければなりません。

文化祭当日は開会式や閉会式の進行を務める他、未承認の展示物に対する指導、相談受付、学内の見回り、トラブル処理に奔走します。

 

広報班

文化祭で配布するパンフレットやビラ、ポスターを制作します。一般公開する場合は制作したパンフレットを近隣の中学校や高校に配布したり、招待状(チケット)デザインを決めたりします。パンフレットを作成する際はすべての参加団体と連絡を取り合い、写真撮影を行い紹介文を考えなければならないので大変です。手間を減らすために団体ごとに記事スペースを割り当て自由に書かせる方法をとるところもありますが、その場合でも校正作業は行わなければなりません。

校舎内に輪転機がある学校の方が珍しいため、パンフレットは印刷業者にお願いすることが多いです。フルカラー>一部カラー>二色刷り>モノクロの順にコストがかかり、予算の都合に合わせて選択します。たいていはモノクロになるでしょう。

その他、ウェブサイトを作って宣伝したり、見取り図や案内板を制作したりもします。

 

 器材管理班

 器材とは机や椅子、教壇、暗幕、ガムテープ、木材、釘、工具、その他プロジェクターやパソコンなど、文化祭で用いる道具全般を指します。器材管理の仕事はまずこれらすべての数と位置を把握することから始まります。器材一つ一つに番号をつけ、どの番号の器材がもともとどこにあったのかをまとめておきます。

各団体が文化祭準備に取り掛かるとどの器材を何個ほしいという申請書が届くので、どこに何を何個配分するのかを決めていきます。ただし、教壇や暗幕はほぼ確実に不足するため、配分したあとのクレームにも対応しなければなりません。

パネルや垂れ幕は前回使ったものを流用できますが、木材や釘は捨ててしまうことが多いため、文化祭のつど業者に発注しなければなりません。数十万単位のお金が何度も動くので会計管理は必須です。また、プロジェクターやパソコンなどの精密機械は故障させてはいけないので、借用書を作成し保管しておきます。

 

 装飾班

文化祭のテーマに合わせて校舎内を飾りつけるのが主な仕事です。よくわからない人は「文化祭 装飾」で画像検索してみてください。色紙や風船、カラーテープを使うのが一般的ですが、予算が潤沢なところだとプロジェクションマッピングや大型液晶を使用することもあります。校門のゲートや垂れ幕を制作するのもこの部門が担当します。

非常に時間と労力がかかるので他の部門から入れ替わりで応援が投入されます。

 

企画審査班

文実主催の企画を立案し、運営する部門です。ミスコンやカラオケ大会などのステージ企画と、スタンプラリーや宝探しのような学内企画の2班に分かれて準備を進めていきます。有志が行うステージパフォーマンスの申請を受理したり、音響機材を準備するのもこの部門の仕事です。

文化祭当日はあらかじめ作っておいたタイムテーブルに沿って進行を務め、時間を大幅に超えた場合や演者がドタキャンした場合はその対応に追われます。

また、文化祭のすべての展示や劇を評価し、最も評価が高かった団体に対しては閉会式で賞を与えます。生徒全員に審査させると質と無関係に人気のある展示に評価が偏ってしまうので、売り上げが最も高かった展示に対しては別の賞を設け、公平に展示物の質で審査するように努めます。

とはいえ、演劇のようなステージパフォーマンスは相対評価が難しく、審査役が毎年頭を抱えることになります。

 

文化祭当日の仕事内容

文化祭当日は割り振られた仕事を担当しつつ、自分たちのクラスの出し物にも応援に行かなければならないため、メンバーの自由時間はほとんどありません。本部はほぼ軟禁状態で申請やトラブルへの対処に追われ、その他のメンバーは各展示物が安全面や衛生面をクリアしているか、申請内容から逸脱していないかを見回りながら確認します。また受付案内担当は校舎の入口付近でパンフレットを配布し、ステージ担当はステージの進行とタイムテーブルの修正を行い、清掃担当は各ごみ捨て場のゴミの処理を担当します。

文化祭が終わると一般生徒は後夜祭に参加しますが、文実委員は本部に集まって後処理を行いつつ、今年度の文化祭の反省会と解散式を行います。このとき帳簿と残金が合わない場合は会計が涙目で帳簿をごまかす合わせることになります。

解散式では実行委員長や副委員長にメンバーから感謝の意を伝えたり、委員会が通年の場合は後輩になんらかのプレゼントを行ったりすることが多いです。