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公立高校の入学式の流れ

この記事では公立高校の入学式の流れについて説明します。
私立高校の場合は宗派によっても変わってくるのでここでは説明しません。

 

入学式が始まるまで

新入生が登校する時間は学校ごとに異なります。朝9時には来てくださいと言われるところもあれば、12時30分集合のところもあります。この時点で察した人もいるかもしれませんが、入学式の日は基本的に半日で帰宅できます。

新入生は登校すると、まず玄関口に張り出してあるクラス分け表を見て自分の教室に向かいます。教室の前に席順が書かれた紙が貼ってあるのでそれを見て自分の席に座り、担任が来るまでしばらく待ちます。時間になると担任が入室し、入学式前に10分程度のショートホームルーム(SHR)が行われます。ここではまだ生徒たちの自己紹介などは行われず、入学式の説明や担任の自己紹介などに終始します。それが終わると廊下で列を作り、入学式が行われる会場へと担任が誘導します。

 

入学式の進行

一般的に入学式は以下の流れで進みます。

 

開式の辞(開式の言葉)

司会(たいてい教頭)が、「開式の辞。これより、令和○○年度××高等学校の入学式を執り行います」と宣言することで入学式がはじまります。

 

新入生入場

入場の合図を確認したら、1組から順番に新入生が入場します。このとき教職員、来賓、保護者、在校生は拍手で迎えます。入場時はなんらかの音楽がかけられることが多いです。なお、スペースの都合で在校生は会場にいないことも多々あります。

 

国歌斉唱

新入生全員が席に着いたあと、司会の合図とともに全員起立して君が代を歌います。近年は大人の事情で国歌斉唱しない学校も増えています。

 

入学許可宣言

校長先生が新入生に対して入学を許可する旨の宣言を行います。小中学校では学級担任や学年主任が全員の名前を読み上げるのが一般的ですが、高校ではあまりにも人数が多いので「入学許可候補生」とひとくくりにするパターンもあります。読み上げる場合は名前を呼ばれたら返事をしてから起立し、1クラス分が読み挙げられたら全員着席することが多いです。なお、この宣言が終わるまでは「新入生」という言葉は使われません。

 

学校長式辞

入学許可宣言から引き続いて校長先生が新入生に対してお祝いの言葉をかけます。私立高校の場合はこのあとに理事長があいさつをします。

 

来賓祝辞

PTA会長、保護者代表、市議会議員、政治家などの来賓の中から一名、または二名が祝辞を読み上げます。どちらかというと新入生に対してというより保護者に向けての言葉が多くなりがちです。

 

来賓紹介・祝電披露

そのままですが来賓を紹介します。紹介された人は立ちあがって新入生と保護者にお祝いの言葉を一言述べて一礼します。祝電披露はその場に来れなかった市長や教育委員長、あるいは中学校の先生などからの祝電が読み上げられます。

 

歓迎の言葉

在校生代表として、生徒会長が新入生に祝辞を読み上げます。勘違いしやすいので説明しておくと、「送辞」は在校生から卒業生に送られる別れの言葉、「答辞」は送辞や祝辞を受けてのお礼の言葉であり、入学式では送辞が述べられることはありません。

学校によっては歓迎の言葉は入学式に行われず、在校生との対面式に回されることもあります。

 

新入生代表挨拶(宣誓)

新入生の代表が祝辞を受けてのお礼と抱負を読み上げます。入試で最も成績の良かった生徒に声をかけることが多いですが、スポーツ特待生として入学式前から部活に参加していた生徒が選ばれることもあります。ライトノベルではここで代表として選ばれた生徒がなんらかの波乱を巻き起こすことが多いです。

 

校歌斉唱

最後に校歌を歌います。校歌を知っているのは在校生と同窓会会長、教職員くらいなので、声入りの音楽を流してそれを聞くだけというパターンもよくあります。


閉式の辞(閉式の言葉)

司会が「以上を持ちまして、令和○○年度××高等学校の入学式を閉会いたします」と述べたあと、新入生が順番に退場します。退場時も入場と同様、拍手で見送られます。

 

入学式が終わったあと

入学式が終わると各教室に戻り、ロングホームルーム(LHR)が行われます。教職員はこれを学級開きと呼びますが、生徒がこの言葉を使うことはありません。LHRでは提出物の回収と担任から生徒に向けての激励の言葉、生徒一人一人の自己紹介などが行われます。ここで何をするか、何を話すかは担任ごとに違います。

しばらくすると保護者が教室に入り、授業参観のような形でLHRを続けます。担任と副担任から保護者に挨拶が行われ、生徒と家庭でどのように接してほしいかなどを話します。生徒には高校生としての自覚を持つためのアドバイスなどをします。

それが終わると帰宅……というところもあるかもしれませんが、たいていの学校は物品購入(教材や体育用品)の時間が設けられています。希望者には駐輪場の申請書やJR定期の申請書を配布します。

 

以上の流れを踏まえると、登校してから下校するまではおよそ4~5時間程かかります。