そして僕らは恋をする

恋愛作品の創作に役立つ知識をまとめるブログ

謙譲語の使い方

この記事では謙譲語の使い方について説明します。

 

謙譲語とは

自分側から相手側に向かう行為・ものごとについて、相手側を立てる言い方を謙譲語といいます。行為者を下げる表現なので、目上の人物の行為に謙譲語を使うことはできません。また、行為の向かう先が目上の人物でない場合も謙譲語は使用できません。
※行為の向かう先とは、「 A が B に(を)……する」におけるBのことです。


謙譲語は大まかに次の2つに分類できます。

 

一般形

「お(ご)……する」など、いくつかある型に当てはめることで謙譲語にするパターンです。たとえば「聞く」の一般形は「お尋ねする」「お聞きする」です。

 

特定形

「申し上げる」「拝見する」のように、その語句専用の敬語表現に言い換えるパターンです。たとえば「聞く」の特定形は「伺う」「拝聴する」です。

 

 

一般形と特定形の両方の言い方がある語句については、どちらの表現を使っても問題ありません。ただし、「お伺いする」のように、一般形の中に特定形の尊敬表現を入れると、二重敬語になってしまうので注意してください。

 

 謙譲語の基本的な使い方

一般形

よく使用される謙譲語の一般形は次の4つです。

f:id:kiririn122:20180712232811p:plain

ちなみに、「お(ご)……申し上げる」という表現の中の「申し上げる」には、言うの意味は含まれません。したがって、「お会い申し上げる」や「お届け申し上げる」も正しい表現です。

また、「……ていただく」の派生に「……させていただく」があります。この表現は相手の許可を得た上で何かをしますという意味であり、相手の許可を得る必要がない行為には使うべきではありません。たとえば「司会を務めさせていただきます」は、司会を務めるのに聴衆の許可は必要ないので、「司会を務めます」と表現するのが適切です。

 

特定形

よく使用される謙譲語の特定形を以下に示します。

f:id:kiririn122:20180712234512p:plain

 ちなみに、「……する」の謙譲語は「……いたす」です。「いたす」は丁重語に分類されますが、ときに謙譲語として働きます。

 

名詞や形容詞

自分の所有物や状態を表現するときは、名詞の頭に「お」や「ご」をつける必要はありません。ただし、自分から相手に出す「お手紙」や、自分から相手にする「ご説明」など、立てるべき相手に向かうモノについては、謙譲語表現に直すことがあります。

また、形容詞を使う場合は「嬉しゅうございます」のように「……ございます」の形にするのが適切ですが、古めかしく感じられるため現在ではあまり使用されません。代わりに「嬉しいです」と丁寧語で表現されることが多いです。