この記事では丁寧語の使い方について説明します。
丁寧語とは
丁寧語とは、話し手が聞き手に対して敬意を表すときに使う表現のひとつです。文末に「です」「ます」をつけるだけなので誰でもすぐに使うことができます。「~ございます」も丁寧語ですが、こちらは尊敬語と同等の強い敬意を意味するので、日常生活で使われることはほとんどありません。また「お酒」「ご飯」のように名詞の上に「お」「ご」をつけるのも丁寧語です。(美化語として区別する分類法もあります)
聞き手が自分より上の立場になるものの、尊敬語や謙譲語を使うと違和感がある場合には丁寧語だけ使うことが多いです。
「です」「ます」の活用形
「です」「ます」は助動詞なので当然活用形が存在します。文法について書き出すとややこしくなるのでかいつまんで説明しますが、「です」も「ます」も特殊な活用をします。
「です」の活用形は次のとおりです。
- そうです。(終止)
- そうでした。(連用)
- そうでしょう。(未然)
「です」には連体形も存在するものの、助詞の「のに」「とも」が下に付くときしか使いません。また、「~です」の文を否定する場合は「~ではありません」「~ではないです」のどちらかを使います。「ないです」のように形容詞の下に付けるのは違和感があるという人もいるので、年配のキャラクターには使わせないなどの注意を払っておくとよいでしょう。また、幼さのキャラづけとして「なるほどです」「はいです」のように感動詞につけることもあります。
一方、「ます」の活用形は次のとおりです。
- します。(終止)
- しました。(連用)
- しましょう。(未然)
- しません。(未然)
「ます」には仮定形「ますれ」が存在し、「~しますれば」という形で使用します。しかし、この言い方は現在ほとんど使われておらず、「~しましたら」に言い換えられることが多いです。また、「くださる」「なさる」「いらっしゃる」などの尊敬動詞につくときのみ、「ご自愛くださいませ」「ご覧なさいまし」「いらっしゃいませ」のように命令形にすることができます。
文末の変化のつけ方
文末が「です」「ます」だけだとバリエーションに欠けるので、たいていのキャラクターは丁寧語の下に終助詞や接続助詞をつけて語尾に変化をつけています。特に、丁寧語の後ろに女性特有の終助詞(「わ」「のよ」「かしら」「もの」など)をつける用法はお嬢様言葉と認識されています。
接続助詞
- そのとおりですけれど。(けど)
- 私ですが。
- 申し上げましたのに。
- 知りませんので。
- 聞きましたから。
- というそうですし。
- 耳にしまして。
- とは言いますものの。
終助詞
- あなたですか。
- 知りませんな。
- なりませんぞ。
- 行きますとも。
- 嫌ですの。
- かまいませんわ。
- 子供ですこと。
- 存じませんことよ。
- 言いたげですもの。
間投助詞
- 元気ですよ。
- つまりですね。
- 素敵ですなあ。
助詞には男性が使うものと女性が使うもの、年配者が使うものとそうでないものがあるので使う際は注意しなければなりません。また、語尾を伸ばして変化をつけることもあります。
- 「そうですねえ」
- 「そうですねー」
- 「そうですね〜」
- 「そうですね!」
接続助詞や終助詞の下に間投助詞をさらにつけて「知りませんから ね」のように派生する場合もあります。