この記事では高校の定期試験について説明します。
定期試験の実施時期
定期試験とは、生徒が授業を通してどの程度理解を深めたかを判断するために行われる、定期的な試験のことです。学校によっては定期テストや定期考査という場合もあります。似たものに実力テストがありますが、こちらは学校が統計をとったり生徒の全国偏差値を知るために実施することが多く、個人の成績表にはあまり反映されません。
定期試験は全国の中学・高校で行われており、明確に実施日が定められているわけではありませんが、時期はある程度統一されています。
1学期
- 中間試験(5月中旬)
- 期末試験(6月下旬~7月上旬)
2学期
- 中間試験(10月中旬)
- 期末試験(11月下旬~12月上旬)
3学期
- 学期末試験(2月中旬)
テスト勉強期間
定期試験の約2週間前になると、各科目の出題範囲をまとめた試験範囲表が生徒に配布されます。生徒はこれを見ながら試験勉強の計画を立てていくのですが、中には試験範囲表に書いていないところを問題に出す天邪鬼な先生がいたりします。
試験実施日の1週間前からすべての部活動は活動停止となります。ただし、大会前の部活は例外とする場合もあるようです。部活がない生徒たちは、空いた時間を使って買い物に出かけたり、ゲームをしたり、部屋の掃除をしたり、友達と勉強会を開いたりします。試験前は図書室の利用者が一時的に増加する他、職員室前に質問受付・自習用のスペースが設けられ、生徒たちでにぎわいます。
試験前は基本的に平常授業が行われ、特別早く帰ることはありません。また、ほとんどの科目においてテスト当日までの課題が出されます。課題の内容は「問題集のこの範囲をやりなさい」というものが多いですが、「授業の内容をまとめたノートに対して点数をつけるので、綺麗にまとめておくように」というパターンもあるようです。
試験前の授業方針は教員ごとに異なります。試験に出題する問題を教えてしまう人もいれば、上記の課題に取り組む時間を設ける人や、ギリギリまで試験範囲の授業を続ける人、内職(他の科目の勉強)を認める人など様々です。なお、大量の課題を出す先生やギリギリまで授業を続ける先生は生徒からは嫌われがちです。
定期試験当日
中学校の場合は一日に5,6科目受けることが多い定期試験ですが、高校生になると一日に2,3科目しか受けないので、テストが終わると13時頃には帰宅することができます。試験中は教員がローテーションで各クラスの監督を務めます。試験のやり方は学校ごとに多少差異があり、進学校になるほどカンニングを防ぐために厳正なルールを設ける傾向があります。以下に例を示します。
用紙の配布・回収方法
- ひとつテストが終わるたびに生徒を廊下に退出させ、教員が答案の回収と次の科目の準備をする。
- 一番前の生徒に用紙を渡して後ろの人に回させる。終了後一番後ろの生徒が一列分回収する。
途中退室時の対応
- いかなる理由であれ、途中退室するときは試験放棄とみなし用紙を回収する。
- 急な腹痛などやむを得ない事情であれば試験の継続を許可する。
筆記具
- 鉛筆と消しゴムと定規以外の持ち込みを禁ずる。
- 筆箱ごと持ち込むことを許可する。
席順
- 出席番号順
- 普段の席順
赤点
- 平均点の半分以下
- 30点以下
試験終了後
以前は期末試験が終了すると1週間ほどの試験休みを設ける学校が多かったのですが、近年は授業時間の増加により、試験後も通常授業を行うところが増えています。とはいえ、教員がテストの採点や成績表をつける時間は確保しなければならないので、50分の授業を45分に短縮することはよくあります。
採点が終わると授業にてテスト返却が行われ、採点への質問受付や問題の解説などが行われます。創作でよく見られる順位の張り出しについては、実際のところプライバシーの問題から公表されないことが多いものの、上位数十名のみ公表する学校も存在するようです。