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図書委員会の仕事内容

この記事では図書委員会の活動内容について説明します。

 

図書委員会とは

図書室といえば学園恋愛モノには欠かせない学校設備の一つです。ほとんどの公立校では校舎内の一室に設置されていますが、数万冊もの蔵書がある私立校では専用の建物(学校図書館)が設けられていることもあります。図書委員会はこの図書室の運営と、生徒たちに本を読んでもらうための推進活動を主に行っています。

委員会の中では最も拘束時間が長くたいへん面倒な仕事です。しかし体育委員会のように人前に立つ必要があまりないこと、カウンター業務だけしている印象があることから、消去法で選択する人が多いのが特徴です。大人しい人が所属しているイメージに反して、実際は明るい性格のメンバーも多く、特に委員長などの役職つきは周囲を引っ張っていける生徒が望ましいとされています。

 

図書委員会の構成

図書委員会は年度初めに行われるクラスごとの委員会決めでメンバーが決まります。仕事量が多い学校では委員会活動ではなく部活動という扱いになっていることもしばしばあります。どちらも活動内容は変わりませんが、後者の場合は入部届を出して入部することになります。任期は学校ごとに異なり、通年のところもあれば、4~9月と10~3月の二期制、あるいは三期制のところもあります。部活扱いの場合は3年まで通しです。

各クラスから一、二名ずつ選出され、委員会発足後の最初の会議で図書委員長と副委員長、会計、各班長(係長)が指名されます。

 

班(係)構成

図書委員会の仕事は多岐に渡るため、多くの学校では班ごとに仕事を割り振っています。非常に人数が多いところだと班の下にさらに細分化されたグループが存在することもあります。委員会全体の方針を決めるときは委員長、副委員長、各班長が集まって会議を開き、その後各班員に伝達されます。
以下に班分けの例を示します。ただ、ここまで細分化するのは私立校くらいです。

 

カウンター班

本の貸出と返却の受付を行います。
班が存在せず一、二年が持ち回りすることも多いです。

ブッカ―班

本にブッカーを貼り付けます。
 

書架整理班

本棚の整理、返却本を棚に戻す作業を行います。
 

広報班

小冊子やポスターの作成、ホームページの更新を行います。
 

イベント班

読書会や映写会の企画・運営を行います。
 

装飾班

図書室内の飾りつけを行います。

渉外班

近くの図書館との連携、外部の人への取材交渉などを行います。

 

図書委員会の活動内容

上記で説明したとおり、図書委員会は班ごとに特定の仕事を受け持っていることが多いので、ひとりひとりがすべての仕事に精通しているという状況はあまりありません。また、学校司書が存在する場合は彼らがカウンター業務や本の補修を行い、図書委員会はその補助に徹することが多いです。

 

カウンター業務

本の貸出、返却、予約の受付の他、延滞者に対しては催促を行います。たいてい二人一組で業務にあたり、週に一度のペースで仕事をします。昼休みと放課後に仕事をするのが一般的ですね。

以前はすべて紙ベースのアナログ作業でした。今ではバーコードリーダーを用いたパソコン操作が主流であるため、図書カードを知っている生徒の方が珍しいです。本を借りた人のプライバシーの問題から、生徒がカウンター業務を行うのは賛否あり、専属の司書がいる場合は彼らがカウンター業務を行うことが多いです。また、三年生は受験勉強があるためあまりこの業務を担当しません。

他にも図書日誌をつけたり、来館者の人数をチェックしたり、黒板に絵を描いたりします。具体的な受付方法については図書室の記事を参照してください。

 

ブッカー貼り

ブッカーとはブックカバーの略ですが、書店でつけてもらえるような紙のカバーではなく、透明なフィルムシートのことを指します。ややこしいので図書館関係者は紙の方をブックカバー、フィルムの方をブッカーと呼んでいます。ブッカーは本の損傷を軽減するために貼り付けますが、近年はエコの観点から使用しない図書館も増えています。

ブッカーの貼り方は人それぞれで、使用する道具も個々に試行錯誤して選択します。そのため空気抜きに何を使うか、切れ味のいいはさみはどのメーカーか、などがちょくちょく話題に上がります。ブッカーはあらかじめ一定の長さで切ってあるタイプとロールタイプがあり、安価で自由度が高いことから図書館ではロールタイプが好まれます。粘着テープを表紙に貼り付けるのでやり直しが難しく(特に雑誌)、失敗してテンションダウンする光景が度々みられます。

ブッカー貼りは本が追加されるたび、あるいは週数回放課後に行われます。

 

ラベル貼り

本の返却位置がわかりやすいように、新しい本が入ってくると番号が書かれたラベルを背表紙に貼ります。バーコードリーダーで読み取るバーコードもここで貼り付けます。本の分類は日本十進分類法に則っていることが多いですが、学校独自の分類法に基づいていることもあります。

 

本の補修

司書か業者に頼むことが多いので生徒が行うことはあまりありません。しかし司書の手伝いでやったことがある人は少なからずいるでしょう。ページの破れや外れ、背表紙の損傷などを修繕します。テープで補修できるところだけ自分たちでやって、それ以外は廃棄してしまうことが多いですね。

 

本の返却、整理

本棚の整理をする仕事です。本棚のことを書架といい、本棚に本を戻して整理することを配架といいます。一人一人が特定の棚を担当し、週数回の頻度で整理をします。このとき損傷が激しい本やラベルがはがれた本を見つけたら抜いておきます。昼休みや放課後に10分程度で行われます。

 

蔵書点検

年に一度か二度、本棚の本が正しい位置にあるか、損傷の激しい本や情報が古すぎる本がないかを確認します。蔵書点検はすべてのメンバーで行い、たいてい1~3日かかるためその日は休館日となります。昔は点検作業をしながら虫干ししていたことから、点検することを指して曝書という人もいます。学校の図書室で本来の曝書を行うことはめったにありません。

 

広報活動

新入生に向けた図書館利用方法の説明、長期休業中の開館日の連絡、新書追加の案内を記したプリントを配布したり、メンバーそれぞれの推薦書をまとめたポスターを掲示したりします。ホームページが存在する場合はそれの更新も担当します。アグレッシブなところだと昼休みに校内放送したりもします。

 

イベント運営

学期に数回行われる読み聞かせ会や映写会などの企画立案と運営を行います。読み聞かせは主に園児や小学生に向けたイベントで、近くの図書館などで絵本を読んだり、自作の紙芝居や人形劇を行ったりします。もちろん図書室で生徒を対象にやることもあります。映写会は校内の生徒に向けたもので、借りてきた映画などを図書室で流して視聴してもらいます。映画の内容はジブリなどのアニメ作品が多いです。お金に余裕があるところだと外部に美術鑑賞に出向くこともあります。普段は週一回程度の活動ですが、イベント前になると毎日放課後集合して練習します。

他にもリレー小説やビブリオバトル等の企画をすることもあります。ビブリオバトルとは複数のプレゼンターが書評を行い、観衆の支持を最も集めた者(本)を勝者とする知的書評合戦のことです。

 

ディスプレイ

図書室の殺風景な風景を賑やかにするのが主な仕事です。よくわからない人は「図書室 ディスプレイ」で画像検索すると理解できると思います。女子が多いところだとカラフルかつかわいらしい装飾になりやすく、恋愛小説や雑誌コーナーに少女漫画的、BL的イラストが散見されます。男子ばかりのところだと全体的に質素な感じになります。壁面の他にもポップをつくったり、新着本を綺麗に並べたりもします。

 

選書

大人数で近くの大型書店に行き、生徒に好まれそうな本を選んで図書室に追加します。これは実施している学校の方が少ないかもしれません。あらかじめ予算が提示され、その予算上限いっぱいまで本を買えるとするところが多いです。ライトノベルを買う生徒もいますが、技術本やビジネス書などを選ぶ生徒が多いですね。

選べるとはいってもなんでも選べるわけではなく、やはり生徒たちに利用されなければ図書費と蔵書スペースの無駄ですから、予算に余裕がないところだと全員でリストを持ち寄り会議をしてから購入することもあります。ちなみに図書購入費の割り振り方は「司書が選んだ本」>「リクエストがあった本」>「図書委員会が選んだ本」です。リクエストされた本が高価な技術本だった場合は選書予算が少なくなります。